堤逢叶による初音ミク作品6作目となる初期の代表作「瞳を閉じれば」を歌とガットギターによるアコースティックバージョンでリメイク。
ピアノを主体とした原曲のクラシカルなアプローチを一新し、メジャーセブンスコードを多様した流れるようなギターのアルペジオが印象的な爽やかなアレンジとなっている。
原曲では楽曲の重要な要素でもあった間奏とエンディングのメロディーがカットされている。
間奏はよりフリーなアプローチのギターソロとなり、エンディングはイントロと同じ4小節のギターリフをバックに原曲のモチーフを取り入れた新しいメロディーが付け加えられた。
ボーカルのhikariは歌詞の1音ごとに繊細に声質をコントロールすることにより、複雑で情感豊かな歌世界を表現している。
瞳を閉じればわかる
窓辺のぬくもり
胸に残る夢の跡
ふざけ合ったあの時
瞳を閉じればわかる
あなたのぬくもり
耳に残る風の跡
低く歌うあの声
黄昏に身をまかせて
駆け下りたあの坂道
今でも 今でも
あなたとめぐり逢えた
季節をまだ想っている
瞳を閉じればわかる
あなたのやさしさ
頬をつたう熱い雫
大人になったあの夜
会いたくて 会えない時
抜け出したあの日の部屋に
今でも 今でも
あなたとめぐり会えた
季節がまた駆け抜けてく
瞳を閉じればわかる
あなたのぬくもり
胸に残る恋の跡
抱きしめられたあの日
Original Release Date 2008/11/29
Self liner notes - Aito T.
この曲の原型は初音ミクに出会う前からありました。僕にとってミク作品7作目になりますが、ミクに合うメロディーを色々模索していた時期で、過去に作ったメロディーを歌わせてみて試行錯誤していたと思います。
エンディングでのミクによる「ルルル〜」、5作目の「Little Ballad」が最初でしたがこのあたりからお馴染みの「ルルル」として頻出するようになってきました。この曲はメロディーの構成が変わってますね。サビがどこだかわからないような、すべてが主要なパートで全体でひとつの曲を構成するような。どこに焦点をおいて受けとめるかで感じ方の変わる、面白い曲だと思います。
Self liner notes - Aito T.
リメイク版ではオリジナルの間奏とエンディングの「ルルル」メロディーがカットされています。これは思い切っていますね。でも生まれ変わった間奏の夢見るようなギターソロも素敵です。最後オリジナル版のメロディーが少しだけ登場します、これはこれでオシャレですね。僕はギターで曲を作ることがないので、アルペジオによる爽やかなリメイク版のアプローチはとても新鮮です。
ボーカルのhikariさんの歌声がいいですね。想いを込めることで情感を表現するのではなく、言葉の言い方で、切なさ、優しさ、風景とかを表現する。こういう歌唱は歌の世界が無限に広がっていきます。